2006年11月に日野原重明先生とオーストラリアに行った時の写真です。
日野原先生と言えば『生きかた上手』がベストセラーになり、一般的に知られるようになりましたが、わたしたち医療人にとってはもともと伝説的な方でした。
「生活習慣病」という言葉を最初に使われた方でもあり、「人間ドック」や「ホスピス」の制度を日本に導入された方でもあります。聖路加病院を作り上げられた方としても知られています。
ひょんなことから日野原先生のツアーに同行できることになり、オーストラリアでの講演を何度も直接聴かせていただきました。オーストラリアの会場では現地の方がいつも満員でしたが、90代の先生が普段通りの感じで緊張されずに英語で講演される姿に正直びっくりしました。専門用語をくどくど並べたりせず、スライドにはシンプルな言葉だけを映して、記憶に残る話をくっきりされる、そのような講演でした。先生の講演のイメージが強すぎるので、きっとわたしが今後講演する時はこのスタイルをどこかでまねてしまうでしょう。それほど先生の存在は突き抜けた記憶としてわたしの中に残っています。
医療者や作家としての実績もさることながら、先生の包容力や人格が今も人を引き付けてやまないのだと思います。
帰国してからも何度もお会いさせていただきました。このような方と共に過ごさせていただいたことを心から感謝しています。