今日のブログでは、発想の転換にチャレンジしていただきます。
新しい視点でこの世界を見てみましょう!
コンピュータの作り出した仮想空間、メタバースの世界でわたしが生きて行くのにもっとも必要なもの、それがアバターと言われる自身の分身体です。
アバターはわたしの操作に従い、メタバースの空間の中を移動したり、他の人のアバターと会話したりします。この原稿を書いている現時点で、アバターはポリゴンでできたおもちゃのような姿なので、まだ私の分身と呼べるほど没入できそうにありませんが、仮想空間の質が向上し実際の世界と同じような景色やアバターが再現されるようになると、わたし自身現実と仮想の区別がつくのかどうか心配になることがあります。
ん?これって・・・!
アバターを操作しているこのわたし、この肉体、この指、これって本当にわたし自身ですよね・・・?まさかこの肉体もアバターなのでは・・・?
こんなふうに混乱してしまうと思いませんか?
まさか、と言われそうですが、人間の探求心をなめてはいけません。今は匂いや味のする画面も開発中ですし、わたしたちの5感を錯覚させるくらいそんなに難しいことではありませんよね。
もったいぶった出だしになってしまいました。仮想空間のことなんかみなさんわたしよりずっとご存じなんですから、くどくど書く必要はないんですが・・・。でも実はわたしが強調したいのは、わたしのこの肉体って本当にアバターのようなものだと思いませんか?ってことなんです。
生まれた時からといっても、その時の記憶はありませんので、物心がついた時からわたしはこの肉体を使って生活してきました。24時間365日ずっとです。鏡を見ればいつも同じ顔がうつりますし、だからあまりにも当たり前すぎて疑うこともありませんでしたけれど、この肉体はわたしの心がアバターのように操作しているロボットみたいなものだと思われませんか?
今度は視点を変えてみます
ここはこの宇宙のどこかの空間、わたしは、“こうして今考えているわたし”は確かに存在し、そして“在る”のですが、しかしまったくよりどころがなく、ここが明るいのか暗いのかもわかりません。ただ、わたしは考え、思うことができる、そういう存在です。ここが3次元の世界かどうかもわかりません。上も下もなく、見ることも聞くこともできません。そう、わたしにはからだがないため、目も耳も、それどころか5感がまったくないのですから・・・。
そして、ここには時間が存在しません。
そんなわたしに生命として誕生する使命が与えられました。どのような形で誕生するのか・・・。
どうも3次元世界に誕生するようです。そして、わたしには新たなアバターが与えられることになりました。わたし自身は3次元世界の存在ではないので、この世界で生きていくために3次元世界の材料でできたアバターを使う必要があります。この3次元世界はエントロピーが増大していく世界です。物質が集合して何かを形づくっても、どんどんバラバラに散らばっていく世界です。そんな世界ですから、このアバターは表面からどんどん壊れていき、中からどんどん新しいからだを作り出して壊れた部分を補っていく動的な構造をしています。ですからこのアバターは常に新しいからだの材料を外から取り込み、要らないものを排出し続ける構造をしていなければなりません。
しかし、そんな特殊な構造でもこのエントロピー増大の圧力には無限に抗えません。どこかで寿命がきて、このアバターを手放さなければならないときがくるのです。ところが、その点はとんでもない、生殖機能という、古いアバターが新しいアバターをゼロから作り出すという技術で乗り越えることになっています。
そんなことが可能なアバターがわたしのために準備されていました。
このアバターを駆使して生きる世界はこうして、時間を超えた存在であるわたしたちに100パーセント対応できる完璧なシステムだったのです。
いかがでしたか?