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円運動

2022.05.18

category_[イメージトレーニング]

頭の中で1枚の紙とペンを準備して平面の紙の上にに円を描いてください。

きれいな円が描けましたか?

そこに何度も何度も中心点を変えずにいろんな形の円を描き足してください。

たくさんの円が重なり、平面は汚くなったかもしれませんが、すべての作業は一つの平面上でおきますね。これはすべての作業が2次元の世界で起きた出来事だからです。

輪廻転生はこの作業に似ています。作業は続ける限り永遠に続けられますが、円は平面の上に書き加えられるだけで、平面全体に変化はありません。変化がないということは苦しい世界であれば永遠に苦しい世界が続くということです。

さて、この平面に垂直に一本の棒を立ててみましょう。ちょうど円の中心に立てるといいですね。そしてこれがずっとずっと見えなくなるまで高い棒だということにします。先ほど描いた円を一つ平面から引きはがしてみましょう。円は鉛のような金属でできていることにします。円は持ち上がりぐにゃっと曲がります。しかし中心に立てた棒が邪魔をするので、中心の反対側にまで折れ曲がることはありません。そうすると3次元の円ができました。さきほど描き足したたくさんのほかの円も平面から引きはがしてみましょう。たくさんの3次元の円が棒のまわりに腕輪のようになりましたね。

2次元の輪廻転生もこのように考えることで、3次元にすることができます。

垂直な1本の棒という軸を加えると、平面に方向性を与えることができます。

前回のコラムでは何回も何回も生まれ変わる人生観を提案しました。しかし、その生まれ変わりが2次元的なものであったなら、わたしたちは永遠に変わらない苦しい世界で生きていくことになります。

しかし、わたしたちの世界は原始時代から現代に至るまで、理性の面でも、こころの面でも変化し続けてきたとわたしは見ています。そしてその変化には方向性があります。わたしたちは国境や人種を超えて同じように平和を求めるこころや他人を思いやるこころを成長させてきたとわたしはみています。つまり人類はそのような方向に成長してきたとわたしは考えているのです。わたしたちは何代も何代もかけて同じところを回っているのではなく、少しずつでも成長してきたのだ、そしてこれからも成長し続けなくてはならないと考えれば、今の自分を自分たらしめているのは、先祖の方々の苦労であったいうことになり、さらに子孫のためにわたしも一歩でも前進しなければという気持ちにつながっていきます。

ヘーゲルはこのような3次元的な歴史観を「らせん状の発展」と言っています。

では人間は無限に変化するのでしょうか?いいえわたしはそうは思いません。わたしは人間には超えなければならない一線があると思っています。ある段階に到達する時があるからこそ「終末」というものが提案されているとみているのです。

今日はなんとなく難しい話になってしまったので、このへんで切り上げます。