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拝金主義

2022.06.29

category_[イメージトレーニング]

今日のダイアモンドオンラインから佐藤優さんの記事を抜粋して引用します。

 

わたしたちが、当たり前だとか当然だと思っている判断基準のなかには、じつは思い込みや妄信に過ぎないものが多々あります。  その1つが、お金への信仰です。  1万円札を実際につくるときのコストは、1枚あたり2224円ほどだと言われています。この2224円の紙が、1万円の価値を持つものとして、だれも疑うことなく市場で流通しているのです。  よくよく考えたら奇妙なことなのですが、日本国政府が通貨として認め、日本の人々、あるいは世界の人々が、「1万円の価値を持つものだ」と信じているからこそ、1万円札として成り立っているわけです。  このような「共同幻想」そのものが宗教的ではあるのですが、現代の資本主義社会においては、「お金は絶対的なもの」と多くの人に信じられています。愛情さえもお金で買える

 そのように考える人が出てくるほど、お金は絶対的な価値を持つものとして君臨しています。  わたしは「拝金教」と呼んでいますが、みんながこの宗教による、ある種の洗脳を受けていると言えます。  近代以降、自然科学の発達とともに、それまで信じられていた伝統的な宗教の考え方ではなく、「合理的精神」が、人々のさまざまな価値判断の基準となっていきました。神によってこの世界がつくられたと本気で信じる人は少なくなり、神に変わる新たな価値観を求めて、人々はお金を拝んだり、国家を絶対視したりするようになります。  お金や国家への依存心は、産業社会の支配者である資本家や、国家の為政者にとっては、都合が良いことです。こうして人々は、それと知らずに社会のカラクリのなかに巻き込まれ、そこで植え付けられた価値観のなかでしか物事を判断できなくなっているのです。  『民族とナショナリズム』を読み解くことで、ナショナリズムという宗教に限らず、現代にはびこるさまざまな「宗教的なもの」を、俯瞰して見つめることができるようになります。  そうすることによってあなたは、人生を「呪縛するもの」から解き放たれることができるでしょう。

 

久しぶりに佐藤さんの文章を読みましたが、わたし自身佐藤さんの思想の影響をだいぶ受けていると再確認しました。

宗教を毛嫌いする人がたくさんいますが、よくよく考えるとそのような人も含めて、現代に生きる人は宗教の顔をしていない多くの思い込みにとらわれて生きているといえます。そしてそのような思い込みを利用してできた仕組みが、一部の既得権益者つまり支配者の存在を許しているという現代社会の構造を佐藤さんは鋭く指摘してくれています。

拝金の思い込みがあるので、資産を多く持っている人が社会を都合よくコントロールできているというものの観かたは、とても面白いです。逆にいうと、この思い込みを変えることができれば、社会のルールを根本から変えることができるからです。