さて、昨日の夕食は何を食べられましたか?
わたしと同じくらいの年代で、すっと思い出せる方はそれほどおられないと思います。
思い出すために、きっといろいろ記憶を手繰られるはずで、昨日の夜の予定や食事の後にしたこと、テレビの番組の内容や、とにかく印象深かった記憶を思い出していきます。家に帰ってから何をしたかな、とかいろいろと思い出していきます。そして、そういえばテレビでこんなシーンをみたけど、確かその時カレーを食べていた・・・。なんて感じで思い出されるのではないですか?
受験勉強をしているわけではないのですから、いちいち知識として夕食の献立を覚えるはずがありませんね。
では、少数派の方ですが、すっと思い出せた方はどうでしょうか?
夕食のメニューに思い入れがあった方だと思います。ずっと食べたかったマツタケが出た!とか、昨日は大好物のシチューを食べたとか、メニューでなくても、食卓で娘がうれしい報告をしてくれたとか・・・。どうですか?
そうなんです。記憶は心の動きが一緒にあれば、定着しやすいんです。
若い方はちょっとしたことでも感動しますので、その頭の中にはたくさんの出来事が記憶されていきますが、年齢を重ねると生活の行為にいちいち感動しなくなります。同じ行為のくりかえしのような毎日を過ごしていると、記憶に定着する出来事も減少していきます。
認知症の方が同じ話をくりかえす理由もこのあたりにあるかもしれません。こころが動いて定着した記憶がいつも思い出されるのです。
毎日を充実して生きるためにも、感動する生活を意識していきましょう。