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感情とわたし

2022.10.06

category_[心理学]

いつのまにか気温が下がり、風景は秋になってきました。

昨夜アントニオ猪木さんの番組を観ていて、猪木さんがプロレスの練習中、弟子の藤波さんに「痛いなら痛そうな顔をしろ、観客は痛そうな顔を見に来ているんだから」と指導したことが出ていました。

この場面を観て、わたしはショーマンシップの神髄を見た気がしました。

観客は理屈を聞きにショーを観に行くわけではないのです。感情を揺り動かされにいくんだと心から理解できました。猪木さんは自分がどんな姿をすれば、他人がどう感じるかということがよくわかっている人だったんだなととても感心しました。

昔テレビ出演をしていた時に、生本番で猪木さんに「闘魂注入」、つまりビンタをしていただいたことを思い出します。幼い娘がテレビを観て、私が殴られたと言って怒っていたという家内からの報告をほほえましく聞いたのがついこの間のようです。

感情は人間にとって、とても重要です。

恐怖や不安、怒り、喜びといった感情は、時に思考能力すら乗っ取ってしまいます。

これらの感情が脳のどの部分と関連しているかということも徐々にわかってきています。

では「感情=わたし」でしょうか?

それも少し違うような気がします。感情はこころにエネルギーを与えて、またはエネルギーを奪っていく存在ですが、こころそのものではありません。

5感を通して得た情報を得て、理性的に思考する部分は加齢によってだんだん失われていきます。そういう意味ではそのような部分はこころの表面的な部分のように感じます。感情はこころのもっと深い部分なので、理性よりも優先されてしまうのでしょう。

しかし、「理性+感情=わたし」かというと本当にそうだろうかと感じます。