人は「生きている間に○○したい」と考えがちです。
世界中にある、いろんな名所に行ってみたいとは思いますが、世界遺産になっている場所だけでも数えきれないので、すべて訪れることはできません。ですからテレビ番組で映像だけでも観てみようというふうになります。
流星群などの特別な天体ショーは何十年、何百年に一度と言われるとなんとか見てみたいと思いますし、スポーツの試合でもこんな選手の実際の姿は生きている間に観ておかないとなどと考えます。
一瞬の出来事でなくても、一度は仕事で大成功したいとか、大金持ちになってみたかったとか、教授になってみたかったとか、いろんな人生に関する欲がありますが、しかし一生で働ける時間は限られていますので、そのような欲を叶えることができる人はほんの一握りです。
ではそれらの欲が叶えられなかった人生は失敗だったのでしょうか?
なんとか欲を叶えようと無理をすれば、他人をだましたりして、他人の成功を横取りしようとする考えも生まれかねません。そんなことまでして欲を叶えた人生は成功だったのでしょうか?
自分の人生が数十年しかないと思うので、そのような考えに縛られてしまうのです。
わたしはすでに何百何千という世代を生きてきたし、これからもずっと生きていくのですから、現代の自分と他人を比べても無意味です。それよりも目の前の世界をしっかり見つめ、その価値を十分に感じながら1秒を大切に生き、与えられた役割を一生懸命に果たそうとすることにこそ意義があります。