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自己肯定感

2023.04.24

category_[心理学]

「自分は自己肯定感があまりないんです」と相談を受けたことがあります。その時はそれなりにアドバイスを行いましたが、しっかり説明しきった感覚がなかったせいか、自分のこころの中にいつもその質問がひっかかっています。

「自分は何もできなくて、いつも人に迷惑をかけて・・・」と訴えられることもあります。そのような方の話を聞くときは、経験的にかなり長い時間がかかることを覚悟しなければなりません。その悩みを解決しようとして話題をそちらに持って行こうとすると、かなりの確率ですぐにその考えを察知されて、話題を最初の訴えに戻されてしまいます。堂々巡りの会話がずっと続くことがなんとなくわかるのです。

自分のつらい気持ちを聞いてほしいと思っていらっしゃるんです。でも、本気でこの悩みを解決しようとはしていないんだろうなとは思うのです。

自分のこころもちを変化させて、自分を変えようとするには、とても大きな気持ちのエネルギーが必要です。本当に打ちひしがれてエネルギーが全くない時には、つらい気持ちを受け止めてもらうことが必要です。しかし、つらい気持ちを受け止めてもらうだけでは、なかなかエネルギーは湧いてきません。

こころのエネルギーはどこから湧いてくるのでしょうか?

文字通り、こころのエネルギーは人からもらうものではなく、結局自分の中から湧いてくるものです。湧いてくるということは自発的に生じてくるということです。

どのような時にそのエネルギーが湧いてくるのか、それを研究しなければなりません。

電気エネルギーはプラス電極だけあっても、生じません。ゼロです。でもマイナス電極が生じた瞬間電気が流れます。磁石であればN極とS極があって初めて磁力が生じます。

つまり自分一人だけではエネルギーを生み出せないということです。常に相対的な位置に立つことにより、自分の中にエネルギーの通路ができ、エネルギーが動き出すのです。

自分のことだけを考えず、「なんのために」「だれのために」と発想して対極をつくることを通してこそ、こころのエネルギーを持つことができるのです。