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ホログラム

2024.07.31

category_[脳科学]

ホログラムを使ったものとしては、紙幣に偽造防止のために印刷された肖像画が有名です。

ホログラムは、印刷された2次元の媒体に反射した光が特殊なインクで2種類に分けられ、再度合成された時に光の干渉作用が起きて、2次元の像が立体的に見える現象です。

近年ではゲーム内の3D画像や、映画の中で立体的に動くCGなどコンピュータ技術を用いてリアルに立体的に表現された映像を多く目にするようになってきました。立体的な物質も細かいピクセルに分割してデータ化することで、観察者の視点に合わせて最適な見え方を計算してあっという間に合成することができるので、あたかもそこに立体的なものがあるかのように錯覚させることができるようになったのです。

さらにこのピクセルデータをインターネットで送信し、3Dプリンターを用いて立体的に同じ部品をコピーすることまでできるようになっています。

物質が視覚的に“見える”というのはどういうことでしょうか?物質にぶつかった光が吸収されたり反射されたりしたものが、目の中に入り網膜に信号として伝えられたものが脳で認識されることです。

現在のコンピュータ技術を使えば、遠くない未来にこんなこともできるようになるでしょう。

実際には目の前のテーブルには何も置いていないのに、リンゴから反射された光がどのように反射するかを細かく計算しデータ化して、データに従って光だけを再現し、ないはずのリンゴを目の前に出現させるという装置ができそうだというのです。

こんなものができたら、視覚に頼って生活している我々には、何が物質で、何がデータでコピーされたものか区別がつかなくなってしまうでしょう。

物質とは何なのか?物質が確かに存在するというのはどういうことなのか?

わたしたちは実はとてもあいまいな世界に生きているのです。