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月は天界の門

2025.03.24

category_[仏教]

インド思想の古典、「ウパニシャッド」より~

この世界から去る者はすべて月に赴く。月はかれらの生気によって前半の半月に増大し、後半の半月の間にかれらを再び出生させる。月は実に天界の門である。彼(月)は彼に答える者を通過させ、答えない者を雨となって、この世に降らせる。

彼(月)は到達した者(死者の霊魂)に「汝は誰か」と訊ねる。それに対し、彼に答えるべきである。

「わたしは汝である」と答えて、月は天界への門を通過させる。

 

ウパニシャッドとはサンスクリット語で書かれた一群の神学書・宗教哲学書の総称である。

そこには、ブラフマンとアートマンの二元を同一視しその上に絶対不二の根本原理を説く「梵我一如」の哲学思想と、仏教等の土壌となった輪廻・業・解脱の宗教思想が浮彫りにされている。

 

「原典訳 ウパニシャッド」(岩本 裕 編訳 2013年 ちくま学芸文庫)

 

なぜか心を惹かれたので、引用させていただきました。