暇な時間にインスタグラムを観ることがあるのですが、これまでもよく人の身体の動きに関するものをよく見ていました。スポーツジムでいろんなプログラムを通して、異なった角度から人の身体の動き、関節の働きに興味を持って観察していましたが、最近インスタグラムでよく観るようになったのが、人の足の指の動きやマッサージに関するものです。
現代人は靴を履く時間が長いので、足の親指や小指をほとんど使わずに生活できています。ですので、親指が外反母趾になったり、小指が寝てしまったりしやすいと言われています。
姿勢をよくしたり、運動のパフォーマンスをよくするために、太ももの内側を鍛えるようにトレーナーからしつこく指導されます。太ももの内側を意識して生活するように言われるのですが、すぐに忘れてしまい、両膝が外側に開く姿勢をついついとってしまっていました。このようなくせがついていると、がに股になりやすかったり、膝に痛みがでやすかったり、ふくらはぎや太ももの外側が常に張って疲れやすかったりします。
しかし、最近足の指の関節の動きや力の入れ方を勉強するようになり、足首や足裏をまっすぐ地面に向けられるようになると、自動的に足首から上の骨の向きがまっすぐになり、意識しなくても太ももの内側や膝を閉じることができるようになってきました。身体の端の方にある足裏の向きを調整するだけで、膝や股関節、腰の位置や動きにまで大きな影響があることを知ることができたのです。
よく考えると足関節は人体にとって、建物に例えれば“基礎工事”の部分に相当します。重力が上から下にかかるのならば、地面と直接接する部分の向きや動きはそれより上の骨格に大きな影響を及ぼすはずだったのです。
さて、私は子どものころから「足の指はいらないもの」となんとなく思ってきました。ドラえもんの登場人物の足指が省略されて描かれたりしていたのを観て育ったこともあるかもしれません。しかしよくよく思い出してみると、このような考え方になった根本的な理由は進化論の考え方だったとある時気づきました。進化論では、動物が進化していく段階で使わなくなった身体部分をだんだん退化させていくと教えます。サルから人間に進化した絵でお馴染みですが、二足歩行になるにつれて、人は尻尾を退化させてきたと教えられます。ですから樹上生活をする時には枝をつかんだりするのに重要だった足の指は、尻尾と同じようにだんだん必要なくなり要らないものとして退化していくと子どもの私は勝手に思いこんでしまっていたのでした。
しかし実際、人の足の指は、立位をとり二足歩行の生活をする上で、とても重要な働きを持っていることを知るにつれ、私自身がとても大きな考え違いをして生きてきたことを思い知ったのです。おかげで足の指に正しい使い方をさせてこずに、足の裏は正しいアーチを作れず、親指は外反母趾気味になり、小指は寝指になってしまいました。もちろん今から矯正していきますが、これまで足の力が全く使えない生活をしていたために、膝や骨盤に間違った動きを覚えさせてしまったわけです。いろんなところが痛くなるわけです。
このような考察を通して、私は、最初から人間の身体は二足歩行をする仕様になっていたのだ、進化論のようにたまたま樹上生活をしていたサルが平原での生活に身体を適応させた結果物などではないと今は確信するようになりました。