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すがすがしい別れ

2022.04.25

category_[所感]

今日は古い知人を看取りました。

20年前クリニックを開業した時のご近所さんでした。お庭には桜があり、道路にしだれかかるくらい立派で毎年目を慰めさせていただいていました。

90代の方でしたが本当にお元気で、毎朝お庭の掃除をされていると自慢されていました。

7年前にご主人をご自宅で看取った以後、特に連絡はしていませんでしたが、昨年急に会いたくなったと連絡がありました。ご自宅にお邪魔するとご本人の好物のうな重を取り寄せられていて、二人で食事しながら4時間近く思い出話などとりとめのない話をしました。その時に海鳥社から出版する予定ですと本の話もしたのを覚えています。お盆の頃です。

帰り際でしたか、わたしは何も希望はないけど最後は愛着のあるこの家で死にたい、最後は先生が看取ってねと冗談交じりに言われて、ニコッとされました。

年が明けてまた連絡があり、末期がんで余命3か月の診断をされたと息子さんが紹介状を持参されました。

最初の往診の時、「先生の本、読んだわよ」と本の内容を話してくださり、微笑まれました。

あれよあれよという間に病状が悪化、1か月もしないうちに旅立たれました。

すべてが段取り通り、御主人の命日も2日前に過ごされて、すがすがしくいかれました。

枕もとのマリア像がとても印象的で、そのときにこの方がクリスチャンだったことを知りました。