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唐突ですが、人生を車のドライブに例えてイメージしてみましょう。

道路は家系図です。家系図の上流から下流へと人生の旅をしているのが、わたしたちの人生です。

家系図と言えば近い親戚だけが載っている数世代のものだけを思い浮かべられると思いますので、せいぜい明治時代か長いもので江戸時代までさかのぼれればいい方でしょう。「〇〇衛門」さんや「〇〇兵衛」さんが載っている家系図が頭の中に思い浮かべられることと思います。

でも実際の家系図はどこまでさかのぼれるかというと、人類の発祥はアフリカ大陸だと言われていますので、そのあたりまでさかのぼれるのは間違いありません。

さてアフリカにいた先祖のところから、わたしのところまで家系図を下ってみることにしましょう。しかし、さあ動き出したと思ったら、すぐにエンストして止まってしまいました。寿命がきて肉体を維持できなくなると、次の世代にバトンタッチなのですが、自分と子どもが他人同士であると思っていると、世代交代のたびに私たちの車はエンストして止まってしまい、車を乗り換えなければならなくなります。

それではつまらないので、エンストしない自分をイメージすることにします。つまり親も子も、その子も同じ“わたし”だと考えてみるのです。こうすれば、スイスイとハイウェイを走るように人生の旅を楽しめます。

アフリカからスタートした人生の車は、長い長いアフリカ人としての旅を終え、アラブのあたりを通り、インドにさしかかります。その頃になるといろんなルート(北回りや西回り)を通って来た人たちと出会うようになります。色の白い人やずんぐりむっくりな人、瞳に色のついた人までいます。自分のハイウェイがそんな別ルートのハイウェイと交じり合うたびに、わたしの姿も面白いように変わっていきます。背が高くなったり、足が速くなったり、商売がうまくなったり、手先が器用になったり、学者になったり、王様になったり、こうしていろんな自分を体験してきました。そんな旅を続けながら、東南アジアを通り、中国を通ってこの東の端の島国に渡って来たのです。

そう、そしてこれからの未来もいろんな人たちのハイウェイと混じり合いながら、わたしはいろんな人生を体験できます。

今の自分にコンプレックスを感じる事なんて必要ありません。ガチャが当たらなかった?、そのうち当たりますますから心配いりません。一生に一度の天体ショーも、そのうちまた見れるでしょう。

このように考えれば、失敗した、もうダメだ、もっと運がよければ、などと後ろ向きに考える思考方式から抜け出すことができます。

わたしたちは自由に発想することで、もっともっと自由に生きる事ができるのです。