今日はタゴールから
昼となく夜となく わたしの血管をながれる同じ生命の流れが、世界をつらぬいてながれ、律動的に鼓動をうちながら 躍動している。
その同じ生命が 大地の塵のなかをかけめぐり、無数の草の葉のなかに歓びとなって萌え出で、木の葉や花々のざわめく波となってくだける。
その同じ生命が 生と死の海の揺籠のなかで、潮の満ち干につれて ゆられている。
この生命の世界に触れると わたしの手足は輝きわたるかに思われる。そして、いまこの刹那にも、幾世代の生命の鼓動が わたしの血のなかに脈打っているという思いから、わたしの誇りは湧きおこる。
(ギタンジャリ R・タゴール 森本達雄訳註)
わたしもこの世界に満ちている生命の不思議に日々、魅了され、またその不思議さに悩まされています。書いても書いてもわからないことが増えていくようです。
生命という存在だけが、エントロピー増大の法則に逆らって存在し、エントロピー増大の法則によって決まっている時間の向き(過去から未来に向かう向き)を超越できる事実に奥妙さと神秘を感じるのです。