11月も中旬ですが、まだまだコートを着るような気温ではなく、植物の紅葉もじわじわ進んでいる印象です。葉の色が変化していく姿はとても美しく真夏の緑とはまた違った深い趣を感じます。
突然ですが、わたしはドラビダ人という音の響きがなんとなく好きで、古代インド史を勉強した時にとても好きになりました。ドラビダ人はインダス文明を担った人たちです。
南アジアのデカン高原を中心にその子孫の方々が住んでいるのですが、この人たちは北方から侵入してきたアーリア人に征服され、長い時間をかけてカースト制度では最下層に置かれることになりました。
インドという土地は複雑な民族、宗教、歴史を包含しながら、しかし多くの思想の源流となってきました。アレキサンダー大王や騎馬民族が侵入したり、イスラム国家ができたり、最後はイギリスの植民地になるなどして広大な土地に政治経済の多様な変化が入り乱れる歴史をたどってきたのですが、ドラビダ人が中心のタミル・ナードゥ州には固有の家族形態が残っているという記事を見た時、歴史は表面的には複雑に変化しても、人間同士のつながりは家族形態という最小単位を通して何かを残していくのだなと感慨深く感じました。