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湯は水より出て水ならず

2022.10.31

category_[所感]

このことわざは、「生まれたときは平凡でも、努力精進を重ねることによって、すぐれた人物になることができる」、つまり上昇志向をもってがんばりなさいというような意味かと思います。

登竜門という言葉もあるように、川の流れに逆らうほどの力強さで上昇していきたいと考えるのは人の性なのでしょう。

しかし、静かに流れていく水の姿を見ていると、小さな流れがだんだんと合流し大きな流れに変わっていき、大河となりさらにはもっと広い海に変化していく、「上に昇る」のではなく、「下に降りていく」ほどに大きな存在となっていく姿を通して、水は人の成長するべき方向性を教えてくれているような気がします。

「下に降りていく」ことは、上昇を目指すよりもはるかに難しいことです。自分の弱さを乗り越えながら、どんな存在に対しても頭を垂れていくことは、考える以上に本当に難しい作業です。

しかしそのようにしてこそ、きっと海のように広い心を持つことができるのでしょう。