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もみ殻になるな

2022.08.05

category_[心理学]

小さい頃祖母の家に行くと、することがないので物置きでよく遊びました。その頃はあまり使われていませんでしたが、物置には古い農具が置かれていたので、何に使うかわからないままペダルのようなものを踏んでみたりしたものです。

稲は刈り取りが終わると、まず干して水分を減らします。干した稲は、せんばこきなどで穂先から籾(もみ)を外します。この作業を脱穀といいます。このあと、籾に交じっている稲の茎や葉をきれいに取り除くために唐箕(とうみ)という農具にかけるのですが、唐箕はペダルを踏んで箱の中に風を起こしながら、風の中に脱穀した籾を通して籾の選別をする農具です。わたしがよく遊んでいたのは、この唐箕でした。ただ子供にはそんな仕組みはわからないので、わたしにとってただ風が起きるだけの面白くない道具でしたが・・・。さて、籾はその後、外側のもみ殻を外し、玄米にします。

米も麦も同じような作業を通して、大事な米粒、麦粒を穂先から取り出します。

人間は太古の昔から、このような作業を繰り返してきたのですね。

米粒の入った籾ともみ殻が一緒にあると、風が吹いたときにもみ殻だけが飛ばされ、粒の入った籾だけが残されます。

人生は、苦しい試練の連続ですが、試練の風が吹いてもしっかりした中身があれば飛ばされず残るものです。苦しいことがあっても、もみ殻のように飛ばされる軽い存在にはならず、籾のように飛ばされない強い気持ちを持っておきたいものです。