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苦しみの中で笑えるか

2022.09.05

category_[所感]

わたしはなぜか青紫色の花が好きで、通勤途中の水路の中に咲く花をつい写真に撮ってしまいました。

この水路はもともとはよく溢れて水害を起こす川だったのですが、川底も、堤もしっかり人工物で固められて、最近は溢れることもなくなっています。それでも、この川はたくさんの生命をはぐくみやすい何かをもっているのか、毎年川底の中州にたくさんの草木が生え、今頃の季節までには結構立派な木まで育ってしまいます。毎年しゅんせつ工事が行われるので春頃にはすっかりなくなってしまう生命たちなのですが、今年もたくさんの種類の植物が育ち、きれいな花を咲かせ、鳥や虫を誘っています。

アイキャッチ画像に使った画像は中洲の中にきれいに咲いた紫の花です。なんの手入れもされないのに、毎年こんなにきれいな花が咲いてくれるので本当にうれしくなります。写真を撮り終えふと視線を上げると、コンクリートの壁の間の隙間に、同じ花が咲いているのをみつけました。

こんな過酷な環境で、力強く美しく咲く姿に何か元気をもらえた気がします。

先週落語家の古今亭文菊師匠のトークショーを聞く機会がありました。文菊師匠はいわば「笑い」のプロです。

テーマは「コロナうつを笑いで吹き飛ばそう!」といった趣旨だったのですが、文菊師匠はなぜか「苦しみの中に笑いをさがす」というような話を始められました。人権も認められないような修業時代の苦労話をされ、「苦労の中にいながら笑いについて考えてきたような気がする」と意外な哲学的な話を始められました。笑いにもいろいろあって、一発ギャグのような笑いなどからだを使う表面的な笑いもあるが、じっくり腹の底から湧いてくるような笑いもある、今回のコロナ禍のような苦しみを伴う世相は表面的な笑いでは吹き飛ばせないだろうが、それぞれの苦労の中にちょっとしたおかしみを探すとかしながら前向きにとらえていくことが重要ではないかというような話をされ、聞き手はびっくりしていましたが、とても共感できる話をされました。