脳波検査という検査があります。
頭皮に21個の電極をつけ、心電図と同じように電気信号をひろいます。
神経細胞は別の細胞に信号を伝えることができます。神経細胞は皆さんがイメージされる細胞核のある球状の形に加えて、電線のような構造物を何本も他の細胞に向かって伸ばしています。このひも状の軸索という構造の中をどのような信号が伝わるかというと実際に電気信号が伝わります。ということは全ての神経細胞が電気を発生できるわけです。
わたしがいつも不思議に思うのは、すべての神経細胞が同時に活動しているわけではないにしろ、2000億個とも言われる数の脳細胞の電気信号が、21個の電極に拾われて、波状の信号を記録することです。2000億個の電気信号つまり、電気の波が融合せずにバラバラに記録されるとすれば細かいの波の集合体が記録されるはずなのですが、波が合成されるためか、一つの電極には一つの波しか記録されません。もしかしたら、電極で記録するのはそれぞれの細胞の活動ではなくて、電極の周辺にある脳細胞の電位の合計値なのかもしれませんね。わたしも専門ではないので、このくらいの理解しかないのですが・・・。
さて、人間のからだの中では、神経細胞の存在する場所すべてで、このようにたくさんの電気活動が行われていて、からだの活動、つまり恒常性を維持しています。
この電気信号が目で見えたらどんなふうに見えるだろうと思ったことがあります。人間の視覚はある物質に当たって跳ね返った光を網膜がとらえて、その光の性質を信号に変換して画像として認識しています。物質を直接見ているわけではなく、物質に反射した光を見ているのです。ですから、電気信号が見えるようになれば、その人の健康状態がもっと深く理解できるかもしれないと考えたのです。
もし光や音以外の信号をわたしたちが感覚できるとしたら、視覚や聴覚などの5感にしばられることなく、もっといろんなことが感覚できるのかもしれません。現在は光を反射する性質だけで人の見た目が判断されていますが、もし他の信号も含めて見られるようになったら、価値基準がまったく変わってしまうかもしれません。こころの内側まで見えてしまう信号があるかもしれませんので、そんなものがキャッチできるようになれば、大変なことになってしまうでしょう。