チベットの歴史を勉強していて、観音様の逸話を知りましたので、ここで紹介いたします。
チベットに限らず、タイや日本の仏教において、観音様は大きな信仰を集めてきました。しかし、日頃から仏教に接する機会がない私たちは、単語として「千手観音」などの言葉は聞いて知ってはいても、その由来までは知らずに過ごしています。
観音様はある時、弥勒仏に対して誓いを立てます。
「すべての人間が救われるその日まで、私は絶対に自分の幸せを考えない。」
「もし誓いを破ることがあれば、この身体を粉々にしてください」
しかし、ある時観音様は、一瞬自分の幸せを考えてしまったのだそうです。その瞬間、観音様は粉々に砕け散りました。
弥勒様は、その様子をご覧になり、粉々になった観音様の破片を集め、観音様を作り直されました。その際、時空を超えて、つまり時代や場所にとらわれずに救済の仕事ができるように10の顔と千の手を持つ姿にされたのだそうです。
なにか素敵な話だと思いませんか。