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食事の意味

2024.02.16

category_[価値について]

先日ある会社の社長さんと会食する機会があり、お聞きした話がとても大事だと思いましたのでご紹介いたします。

その社長さんの経営する会社は飲食関係で、歴史も古く福岡でも有名な会社です。

その社長さんは1日3回の食事をとても大事に考えていて、食材やメニューにもとてもこだわっていると話していました。例えば社長さんが家族のために淹れるコーヒーは「コピ・ルアク」というジャコウネコのフンから取り出されるとても希少な豆を使用しているとのことです。

普通に聞けば、お金持ちの道楽のように聞こえる話かもしれません。

しかしよくよく聞いてみると、その習慣は社長さんがお父さんの介護をしていた時の体験から始まったとのことでした。

ある時大勢の家族、親戚が集まり夕食のメニューを話し合っていた時のこと、お父さんはお肉が食べたいと言われたそうですが、その他の家族は皆軽いもので簡単に済ませたいと言い、多数決でお肉でないメニューに決められたそうです。

そうするとお父さんが一言、「俺は老い先短いから、あと何食食べられるかわからない」と言われたのを聞き、社長さんはひどく反省したそうです。

確かに言われてみれば自分が食事をできる回数も有限だ、1回1回の食事を大事に考えて心を込めて行うことにしよう。

このように考えた社長さんは、このできごとをきっかけに食事にとてもこだわるようになったとのことでした。

この話を聞き、わたしも非常に感じるところがありました。

何を食べるか、贅沢をするかどうかはそれほど問題ではありません。しかし、私達の身の回りにあるものに無駄なものはなく、行う行動におろそかにしていいことなどないと考えると、この口という構造、ものをとてもおいしく感じることができると同時に、会話をすることもでき、歌を歌うこともできるこの器官をとても神秘なものに感じました。どうしてこうもバランスよく、ちょうどよい具合にこの器官はできているのだろうと感じたのです。

そう考えると、その口を使って最大限に機能を発揮させ、感動することのできる機会をおろそかに扱い、無駄にしてはいけないと思いました。

このような意味で、その社長さんは食事という行為に毎回心を込めることで、その時間をとても大事に過ごされているんだなと感心したのです。

物事の価値はお金の量、つまり値段で決まるものではありません。自分がそれを通してどれだけ感動し価値を感じ取れるかが重要なのです。