人間というのは、いわゆる「盗人根性」というものを持っているなと感じることがあります。

わたしたちの人生行路や立場、財産などは本来自力だけで獲得したものではありません。

資産家の家にたまたま生まれたり、偶然とても優秀な先生に出会ったり、入学試験や、会社の採用面接などでうまくいったりして、ちょっとした運が作用したことでうまくいったことが、たくさんあったと思います。逆にその勝負所で病気や事故にあったりして大きくレールから外れてしまったこともあるかと思います。

運命と言ってしまえばそれまでですが、そのできごとをどのように受け止めるかは個人の責任です。

分不相応にいい目に遭った時に、「自分は本当に運がいい」といって当然のことのように受け止める人がいます。ラッキーだと言ってその栄誉を独り占めにするのです。このような心持ちをわたしは「盗人根性」だと考えています。楽な立場になったり、運よくいい贈り物をもらった時にこそ、その人の本性が現れるのです。

もちろん努力はしたのでしょうが、そのような栄誉を受ける時に、まだまだ努力の足りなかったわたしがこのようなものを受け取っていいのだろうかという謙遜な気持ちと、与えてくださった方や先祖の功徳に感謝の想いを持ちたいものです。