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正義感

2023.05.26

category_[心理学]

先日クレーム対応に関する研修を受けた時に、悪質クレーマーに狙われやすい人の特徴が紹介されていました。

いくつかある項目の中で、とても印象に残ったのが、「正義感の強い人」です。

悪質クレーマーというのは、ものすごく自己評価が高く、自分を特別扱いさせたがる人なのですが、このような人は、つけこむ隙のある人を常に探しています。怯えやすい人や無抵抗な人がターゲットになりやすく、そういう人を見つけると、どれくらい自分のいいなりになるか試し始めます。

そのようなクレーマーに狙われやすいタイプの中にこの「正義感の強い人」という項目があったので、意外な感じがして覚えてしまいました。

意外だったので、なぜなのか考えてみました。

まず正義感の強いタイプの人は、観念的にものごとを考えやすいのではないかと思います。

クレーマーは「なぜできないのか?」と質問しながら、理詰めの論法を使用して自分に特別扱いをさせようとしてきます。そのような会話の中で、ついつい了解するような返答をしてしまうと、その言質にしばられて、どんどんクレーマーに都合の良い話の展開にひきずられてしまうのですが、正義感の強いタイプの人はそのような罠にはまりやすいのかもしれません。

観念的な思考方法が強すぎると、自分のこころの奥底にある本音や感情に気づかず、頭で考えた自分なりの理屈または本やテレビなどから仕入れた他人の考えにこだわってしまって、なかなかその考えの呪縛から逃れられません。そうなると自分の深層心理を無視した言動をとりやすくなり、知らず知らずのうちにこころの中にストレスをため込んでしまいます。

勘やインスピレーションといった突拍子のない思いつきも、こころの奥底にある深層心理とつながっていることがあるので、意外に大事です。

他人の話や行動を偏見を持たず、こころの目で見る必要があるのは観念にしばられない情報を手に入れることがとても重要だからなのです。

また正義感が強すぎると、他人の言動を「許せない!」と考えやすく、攻撃しやすくなります。するといつの間にか自分の方がクレーマーになってしまうことでしょう。

他人を攻撃する行為は百害あって一利なしと心得るべきです。