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脳とわたし

2022.10.05

category_[心理学]

わたし自身とは何なんだろうと考えた時に、わたしの心であると普通は考えると思います。

わたしの心とは何でしょうか?

精神科の患者さんや認知症の患者さんに使う薬の成分は、おおざっぱに言えば神経伝達物質に関連するものです。

脳細胞の中で重要な働きをしているのは神経細胞ですが、神経細胞は、繊維状の長い足を持っていて、その足の先端にシナプスという構造を持っています。このシナプスの中に神経伝達物質が入っているのです。神経細胞は別の神経細胞に自分の足の先にあるシナプスをくっつけています。そして、神経を伝わって来た電気信号を最後にシナプスに伝え、シナプスが情報伝達物質を放出してその信号を別の神経細胞に伝えるわけです。神経細胞同士が複雑につながり合いネットワークを形成して情報を伝達し合っているわけですが、この情報伝達物質の量を調節することで、神経細胞同士のつながり具合を調節し、脳のはたらきに影響を与えるわけです。だからこのような薬を使用すると、脳が直接影響を受けて、興奮したり、逆に興奮を抑えたり、眠くなったりやる気がでたりするわけです。

アドレナリンやエンドルフィンなどの名前は聞かれたことがあると思いますが、それらも情報伝達物質の一つです。

麻薬もそのような働きがあるので、不自然な恍惚感や多幸感を得たり、幻覚を見たりする作用を受けるわけです。

このような薬物は物質なので、物質が気持ちをコントロールすると考えれば、脳は物質であり、気持ちも物質の作用でできたもの、つまり自分のこころも物質でできていると考えられます。

しかしこのように極端な言い方をすると違和感を感じる方も多いでしょう。

わたしはこころにもいろんな部分があって、物質的なこころ、つまり肉心ともいうべきものは厳として存在し、わたしのこころの一部をなしていると考えています。

次回から何回かに分けてこの話題を深堀してみましょう