ラジオのチューニングをされた経験がおありの方には分かっていただけると思いますが、チューニングのメモリを少しずつずらしていき、ピタッと周波数が同期した時にクリアな音が聴こえ始めた時の快感はなんとも言えません。電波が弱い時など、しっかりメモリを合わせないと聴こえたり聴こえなかったりして、雑音がひどく聴けたものではありませんが、それでも聴きたい番組があると必死で目盛りをいじっていたものです。

さて、この同期という作業は物理の知識がないとその仕組みがよくわかりません。

電波は電波塔から常に発信されているのですが、電波塔を眺めているだけではわたしたちはどんな音楽や会話が電波に変換され飛ばされているか確認することができません。電波を受け取り、それを音声に変換しなければならないのです。その電波の周波数に同期できる受信機が必要です。

万人に対して発せられている電波の持っている情報は、それをキャッチできる機械を持った人にしか伝わらないのです。

わたしたちもある意味、受信機のようなものです。受信できる準備さえしていればキャッチできる情報もあるものです。